2025.04.15
―医師を目指されたきっかけを教えてください
母方が江戸時代からの医師をやっている家系で、私は7代目にあたります。5代目である祖父が内科小児科の開業医として、訪問診療も含めて地域貢献していました。幼少期に祖父の訪問診療についていった経験があり、そこでお菓子をもらえたのが嬉しくて医師に憧れました。6代目の叔父(故・山本五十年)が東海大学病院で救命救急医療に従事していたため、本学に縁があり志望しました。
―大学で得たもの、学んだことは?
大学では課外活動の思い出が多くあります。準硬式野球部では身体を鍛えながら、チームとして連携することの大切さを学びました。こども病院部では、小児との関わり方や地域への貢献方法を学びました。また学生会では執行部委員長として、東海大学の他校舎のメンバーと協働して、清水校舎で東海大全学会議に参加して建学の精神を学びました。すべての活動を通じて「東海大学の仲間との絆」が深まったと考えており、それが大切な財産となって現在の仕事にも活かせています。
―本学医学部の「良医の育成」について先生はどのように考えますか?
私は東海大学総合診療学系総合内科学に所属する家庭医として、伊勢原地域の地域医療に従事しています。本学は「科学とヒューマニズムの融和」の精神に基づいた良医を育成しており、その精神は家庭医療・総合診療の核となる考え方と親和性が高いと思います。地理的・精神的に近接性の高い医療、疾病の治療だけではない包括的な全人的医療、外来→病棟→在宅という流れにおける医療の継続性などを医師として重視しています。学生当時にはあまり理解できていませんでしたが、医師歴10年を経過して本学の目指す「良医」の重要性を実感しています。
―今後の50年に向け、若い世代へのメッセージをお願いします
この先、AIの進化に伴う環境変化があり、そして人口減少に伴う医師の過剰状態などの心配があると思います。しかしどんなにAIが進化しても、人間の両価性(ひとつの物事に対して、逆の感情を同時にもつこと。例:もう長生きしたくないが、適度な治療はして欲しい)に対応するのは難しく、最終的には医師と患者の人間同士の対話が重要だと考えます。そしてそういう局面でこそ「良医」は輝きます。医師が過剰になっても、「良医」は患者さんから選ばれるので、活躍し続けることできます。一緒に「良医」を目指しましょう!
―医療法人救友会、湘南伊勢原/真田クリニックの特徴についてご紹介ください
私の運営する医療法人救友会は、クリニック・有料老人ホーム・訪問看護ステーション・訪問介護ステーション・居宅介護支援事業所・デイサービス・デイケアの13事業を、伊勢原~平塚地域に展開しています。湘南伊勢原/真田クリニッククリニックでは総合診療医・家庭医による包括的な外来診療と訪問診療を提供しています。総合診療医としてcommon diseaseは自分たちで診て、そうでない場合は適切に東海大の専門医と連携することを重視しています。また東海大学医学部付属病院の総合内科と連携しながら、総合診療専門医の資格を取ることができる仕組みを構築し、運営しています。伊勢原~平塚地域の地域医療についてご興味がある方なら学生の方でも社会人の方でも、見学大歓迎ですのでご連絡ください。